002【健康食品・サプリメント 広告に騙されない賢い方法(その2)】いちばん期待できるのは腸内細菌系

コラーゲンのサプリはなぜ効かない?

膝痛とかでコンドロイチンやグルコサミンのサプリを飲んでる人。

みずみずしいお肌を維持したくてコラーゲンのサプリを飲んでる人

他にもいろいろなものを飲んでる方たちがいらっしゃると思います。

「ほんとに効くのかな?」と疑問に思ったり、「効果が出るまで時間がかかる。それまでは継続しなきゃ」などと思いながら飲んでる方、多いんじゃないでしょうか。

下のサイトの記事に目を通してみてください。

コラーゲンサプリは本当に効くのか? 科学的根拠を検証 - 日本経済新聞
コラーゲンが皮膚や髪、爪、骨、関節、その他あらゆる体の部分の老化防止に効くという宣伝文句や有名人の証言が巷にあふれている。多くの消費者がこれを信じ、2021年には米国でコラーゲンのサプリメントに20億ドル(約2750億円)が費やされたという...

コラーゲンはタンパク質です。

タンパク質というのは、アミノ酸が数十個も数百個も連なった、とても大きな物質なので、そのままでは腸から吸収されません。

なので、私たちの胃や腸で分解され、小さく切り刻まれてから吸収されるのです。

決して巨大なコラーゲンの姿のまま吸収され、そのままお肌とかに到達し、そこに定着し、みずみずしいお肌の維持に役立つことなどありえないと、専門知識があれば分かるはずです。

でも、人間が知らないことはいっぱいあります。昨日の常識が今日の非常識になることは、よくあることです。

確かめてみるまでは、分からないじゃないですか。

というわけで、コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲンについても、ヒトでの効果の研究や動物での実験が盛んに行われてきたようですね。

で、結論としては、これらの成分の効果について、ハッキリと「効く!」というエビデンスは得られていないと言っていいようです。

ある報告では「効果が見られた」と言い、別の報告では「効果はなかった」と言います。

なぜ、このように逆の結果が出るのか?

実験の方法や条件が適切でないと、正しい結果が得られないことは、よくあることです。

特にヒトでの研究では、多様な個性をもつ人がいる中で、条件を一定にコントロールするのはとても難しいものです。 「効果があった」とする報告では、研究方法に不備があったと考える専門家が多いようですね。

もっとも効果が期待できるのは腸内細菌系!

コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲンの3つだけを例として挙げ、科学的エビデンスの乏しいことについてお話したわけですが、もちろん他にも、根拠に乏しいものはたくさんあります。

では、これは高い確率で効果が期待できる、根拠もシッカリしている、というものはないのでしょうか?

あります。腸内細菌系です。

近年、多くの病気と腸内フローラの乱れとが関係のあることが分かってきました。

腸内環境を整えると、病気が劇的に改善する。 人類はやっと、このことに気が付いたのです。

腸内環境が乱れると恒常性が崩れる、あらゆる病気の原因になる

人間の体は(人間に限りませんが)、常に一定の状態を保とうとするようにできています。

暑くっても、寒くっても、いつも一定の体温に。

運動で心拍数が一時的に上がっても、平時はいつも同じくらいの心拍数に。

血圧もそうだし、赤血球数、血糖値、各種ホルモン濃度などなど、人によって多少の違いはあれど、状況によって変動はすれど、常に一定の状態に保つ。

これを「恒常性の維持(ホメオスタシス)」といいます。

「恒」も「常」も「ツネ」ですね。

ツネにツネの状態を保つ、、、それがホメオスタシスです。

神経系、内分泌系(ホルモン系)、免疫系、、、この3つの系が互いに作用しあってバランスをとることで体の恒常性は維持されています。

このいずれかの系が不調をきたすと、他の2つの系にも影響を及ぼし、恒常性が保てなくなる、、、それが病気だと言うことができます。

そして特に、腸内細菌は免疫系と密接な関係にあることが分かってきました。

実は、腸は体内最大の免疫系臓器だと考えられるようになりました。

えっ! 腸は消化器でしょ!? って?

そうなんですが、腸の役割は食べ物の消化吸収だけではなかったのです。

実に、体の全免疫細胞の半分以上が腸に集まっているのですから。

免疫系は腸内細菌と密接に関連しており、免疫系が正常に機能するためには、腸内細菌が健全な状態にあることが重要なのです。

そしてまた、一部の腸内細菌は、セロトニンやドーパミンという、私たちの精神を安定化させるのに欠かせない神経伝達物質や、体の調子を整え、恒常性を維持するのに欠かせない多くのホルモン類の材料となる前駆体物質の大半を作ってくれています。

つまり、腸内環境が乱れ、これらの物質を作る善玉菌が劣勢になると、神経系と内分泌系(ホルモン系)も乱れるのですね。

また、「脳腸相関」といって、脳と腸とが密接に連携していて、影響を及ぼし合っていることも分かってきました。

なんと、腸内細菌が精神状態にまで関係しているのです。

驚くべきことに、腸内フローラの変化によって、性格まで変わることが明らかになっています。

詳しくは、上のブログご参照

腸内フローラの乱れは免疫系の乱れを招き、神経系と内分泌系にまで悪影響を及ぼします。

その結果、恒常性の維持ができなくなり、様々な病気の原因となりえる。

腸内フローラがいかに健康維持において重要か、お分かりいただけたと思います。

乳酸菌やビフィズス菌を摂っても効果を感じないわけは?

我々にとっていい腸内環境というのは、どんなものでしょうか?

腸内には、一説には1,000種類以上、総計100兆個以上もの腸内細菌がいると言われています。(もちろん、誰も正確に数えたわけではありません)

その総重量は2キログラムとも言われます。

その中には、いわゆる善玉菌とか、悪玉菌とか、そのどちらでもない菌とか、ときに善玉、ときに悪玉という日和見(ひよりみ)菌とかがいるのですね。

これらの菌の勢力図が崩れ、悪玉連中が幅を利かせると好ましくない腸内環境、というふうに言われます。

だからと言って、悪玉連中を駆逐して、全部を善玉にすればいいかというと、そうではなくて、実際、そのようなことはできません。

要するに好ましいバランスのとれた状態、、、これがよい腸内環境だということなのですね。

そのために、ヨーグルトとかヤク○トとかを、せっせと摂ってる人って、かなりいらっしゃると思います。

良い効果を実感されたことって、あります?

もう、これはなくてはならない、手放せないって思ったことありますでしょうか?

私も、ヨーグルトどころか、医薬品(「ザ・ガ○ド」とか)でいい菌をせっせと摂ってた時期がありました。

かなり長期間(数年レベル)続けましたが、まったく効果の実感を得たことがありません。

今はもう、そんなことやらなくなりました。

だって、無意味だって分かりましたから。。。(いえ、決して無意味ではありません。あとで述べます)

腸内細菌の構成とか、各菌種の比率とかは、人ごとに千差万別であり、多様性があります。

そして、その人それぞれに特徴的な腸内細菌のバランスは、どんなにヨーグルトを摂っても、錠剤を飲んでも、どうやら一生変えられないようなのです。

それって、いったい、どういうこと?

腸内フローラを変えることはできない

人は無菌状態で生まれてきます。

母胎から出てきた後、菌であふれる環境の中で、さまざまな菌を取り込みます。

どんな環境で育ったか? 母親や家族を含めて、どんな人と接触してきたか? どんなものを食べたか?

それから、ペットを飼っているとか、農家・農村だと近くに家畜がいるとか、そんなこととか。

このような様々な環境要因の違いによって、取り込む菌の種類も異なってきます。

そして、取り込んだ菌の一部は腸内に定着し、子供のうちに、その人特有の腸内フローラを形成するのです。

ですから、人それぞれに個性があるように、それぞれに個性的な、異なる腸内フローラができあがるわけです。

このようにして形成された腸内フローラは、子供のうちに確定してしまい、残念ながら、成人してから変えることは、どうやらできないようです。

すっごく健康な人がいて、すっごくいい腸内フローラを持っているとしても、その人のような腸内フローラにモードチェンジすることはできません。

なぜなら、私たちの免疫系が、子供の頃に体に取り入れて腸内に定着させた細菌を記憶しており、それ以外のものは異物と認識して排除しようとするからです。

異物を排除する! これは免疫系の基本的な役割です。

ですから、いい菌をいくらせっせと摂っても、腸内に定着しません。

ヨーグルトを食し続けても効果を感じないのは、こういうわけです。

これは免疫系の働きですから、どうしようもないですね。

ヨーグルトや納豆のいい菌を取り込んでも、それらを定着させることは期待できない。

でも、それら体にいいと言われる発酵食品は、菌が作ってくれた体に必要な栄養素を豊富に含んでいるので、健康にいい食品であることに変わりありません。

食べてもムダ、ということでは決してありません。(さっき、ムダって言っちゃいましたけど、、、)

一時的にでも腸内フローラを改善できれば効果はある

腸内フローラの乱れからホメオスタシスが破綻し、病気になるのだとすれば、その乱れを元に戻してやれば病気は回復するのでしょうか?

もともと好ましくない腸内フローラのせいで病気がち(たとえば、潰瘍性大腸炎とか、クローン病とかの難病)な人も、他の健康な人のような好ましい腸内フローラに変えることができるとすれば、その病気もよくなるんじゃないの?と問われると、答えはイエスでありノーです。

その人固有の腸内フローラを大人になってから変えられないことは、先述の通りです。ですから、答えはノーです。

でも、一時的にでも、健康な人のような腸内フローラに変えてやれば、「難病」といわれる病気も劇的に改善することが確かめられており、答えはイエスとなります。

変えられないって言ったんじゃないの?

はい、そうです。でも、一時的であれば変えられます。

「便移植」という方法がそれです。

便移植については、上のブログご参照

結論:腸内フローラは、その人にとってベストな状態を維持するに尽きる

腸内フローラは、けっこう変動します。

えッ! 「変わらない」って言ったり、「けっこう変わる」って言ったり、いったい何言ってんだよ!?

あぁ、確かにそうですね。

他の人の腸内フローラが羨ましいからと言って、ヨーグルトとか錠剤とか摂っても、そんなふうには変わらないと言いました。

でも、ストレスや睡眠不足や暴飲暴食や環境の変化や病気や、その他様々な要因によって、腸内フローラは悪い方向には簡単に変わります。

腸内フローラが悪い方に変わると、下痢したり、便秘したり、便が臭かったりします。

健康な便はほどよい硬さで、悪臭もしません。

便が悪臭を発するのは、腸内の悪玉菌による腐敗が原因であり、善玉菌による発酵が優位なときには悪臭どころか、ヨーグルトのような乳酸菌っぽい匂いがします。

マジ、乳酸菌の匂いです(これは、自分の経験からですから、間違いありません)。

このように、腸内フローラの好不調は、けっこう自分で分かるのではないでしょうか。

多くの便移植の症例によって、腸内フローラを好ましい状態にできれば、難病ですら著しく改善できることが分かりました。

でも、便移植は、そう簡単に頻繁に受けられるものではありません。

ですから、健康維持のために日頃から私たちにできることとしては、その人その人のベストな腸内フローラの状態を維持することが大切です。

でも、ヨーグルトも錠剤も、あまり効果は期待できないんだよね?

はい。個人差がありますが、私の場合はほとんど、否、まったくといっていいほど効果を実感できませんでした。

なかには、いい感じの人もいるかもしれませんが、気のせいレベルのことも多いのではないでしょうか?(いわゆるプラセボ効果)

じゃぁ、どうすればいいのよ???

私がお薦めする方法は、いい菌を食すのではなく、もともと自分が持っているいい菌を元気にさせてあげることです。

その方法とは、まずは食事

お腹のいい菌にいい環境を与えて、育てましょうということです。

そして、食事の他は、運動睡眠です。(つきなみですが、大事です)

では、いい菌を育てる食成分とは?

いずれお話しますので、お楽しみに。

今回も最後までお読み下さり、ありがとう御座います。

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