001【健康食品・サプリメント 広告に騙されない賢い方法(その1)】科学的エビデンスがあるか

健康食品・サプリメント

巷にあふれるあまたの健康食品・サプリメントの類。ネット上に溢れる膨大な情報。

悪意のないデマや、なかには悪意のあるウソもあるのではないでしょうか?

どれが正しくて正しくないのか、どうやって見分けるのか? どう判断して選べばいいのか? 悩まれたことはないでしょうか。

CMに有名タレントが出てらっしゃって、「本当にこれはいいですね。元気元気!」なんて言ってるけど、ホントかなぁ?(画面の下の方に、小さい字で「個人の感想です」なんてテロップ出てますねぇ)

CMなんだし、出演料もらって言わされてるんでしょ?って分かってても、つい「ポチッ」としちゃったり(あっ、買ってしもうた)。

大学の先生とか、専門家らしき人の言うことは信用しがちですが、人によってまったく反対のことを言っていたりとかありますよね。どっちがホントなの?って。

専門的な知識があれば、明らかなウソッパチはすぐに分かりますし、「えっ、それ本当?」ということも、調べれば判断できます。 でも、多くの一般の人には難しいことです。

何を根拠に判断すればいいのか?について、私の専門的な知識と経験とからお話させていただき、少しでも皆さんのお役に立てればと思っています。

その上で、私が絶対にお薦めできる製品についても、根拠をお示ししてお話しましょう。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡

科学的エビデンスって?

健康食品やサプリメントについて、どの情報が信用できるのか?

最初に結論を言いますと、どのくらいの科学的根拠があるのか、ということですね。

科学的根拠とは何かといいますと、「信頼に値する研究データ」です。

「どのくらいの根拠」と言いましたが、「どのくらい」というのは質・量の両方のことを言っています。 質の高いエビデンスがたくさんあれば、それは「信用に値する研究データ」と言えるでしょう。

ちょっとここで、研究者たちの営みについてお話しましょう。

研究データは、科学論文という形で世に発表されます。

科学論文は、世に多々ある学術誌(近年は、ネットでも公開されます)に掲載されるわけですが、学術誌によってレベルに結構な差があります。

たいていの学術誌の場合、論文投稿すると、査読(さどく)という専門家による審査を受けます。

その学術誌に掲載されるに値するレベルの研究か? 研究方法は妥当か? データに不自然な点はないか? 結論は客観的かつ論理的か?などです。

この査読に通らないと、掲載を認めてもらえません。

もし、掲載が却下されると、やむなく、よりランクの低い学術誌に投稿しなおしたりします。

聞かれたことがあるかどうか分かりませんが、”Nature”とか”Science”とかいうのは、もう世界最高レベルの学術誌で、多くの研究者が、こういうのに自分の論文が掲載されることを目指して日夜、研究にいそしむわけです。

逆に、「こんな学術誌、読む人いるの?」なんてレベルのものもあります。そう、「こんな研究でも論文になるんだ」みたいなのもあるわけですね。

そういうのはちょっと、科学的エビデンスとしての質的には高いとは言いがたいわけです。

でも、レベルの高い学術誌に論文が掲載されたからって、ただちに信頼できるエビデンスになるわけではありません。

発表後に世の評価を問うことになるのです。

本当にその研究結果が正しいのか?

注目に値する研究内容であればあるほど、世界中の研究者が確認の実験をします。

もし、論文に書かれた方法の通りに実験したのに、誰も同じ結果が出せないとなると、その論文の信憑性が疑われるだけでなく、その論文を発表した研究者たちも信用を失うことにもなりえるわけです。

世界中の研究者らによって確認され、確たるエビデンスとなった例としては、たとえばノーベル賞を受賞された山中伸弥先生のiPS細胞。

生物学の常識を覆す発表に世界中の研究者が驚き、また、本当にそんなことができるのか?と疑った人も少なからずいました。

科学で重要なのは「客観性と再現性」です。

他の多くの研究者によって再現性が確認され、支持されて初めて、「質・量ともに優れた科学的エビデンス」となるわけですね。

山中先生のiPS細胞については、上のブログが分かりやすいかと思います。ご参考まで

根拠のない話にのってしまう人たち

健康食品やサプリメントの類は、医薬品と違って、「効果・効能」を謳うことが法令で禁止されています。

つまり、「○○に効く」とか、まだ「効く」ならマシな方で(限りなくクロに近いグレーですが)、「○○が治る」なんて言うと、完全にアウト(違法)です。

そんな広告を打っていることが消費者庁にタレ込まれると、会社にお調べが入ることになるでしょう。

このため、健康食品やサプリメント業界の会社は、広告宣伝にものすごく苦慮しています。

たとえば、軟骨成分の「グ○コサ○ン」のCMで、上品な高齢の方が階段を苦労してのぼる姿を見せたあとで当該製品を摂り、その後、明るく元気な表情で膝をグルグルまわして、「いやぁ、本当に楽になりました。助かってます」なんてのを見られた方もおられるでしょう。

CMでは、「膝の痛みに効く」とか「回復する」とか一切言っていないわけです。さらには、「個人の感想です」とか「個人差があります」なんてテロップを入れることで、「不正広告だ」なんて言われた場合のために、逃げ道も用意しておきます。

このように各社は、「効果がある」とは絶対に言わずに、さも「効果がある」ようなイメージを視聴者に植え付ける。そういう戦略をとっているわけです。

でもこれは、この業界では仕方がないことなのですねぇ。

ところで、私は過去に別のブログを運営していました。

「健康に関連する正しい情報を分かりやすく伝えたい」というのが目的です。

ブログ記事を書くにあたって、ルールを2つ決めました。

・科学的根拠を確認する

・専門用語の使用は最小限にする(難しくなりすぎないように)

これを始めるきっかけ、動機になった出来事がありました。

あるテレビ番組で、どこかの大学の先生だったか、なんかの博士だったか、とにかく専門家と思しき人が、「ブロッコリには強力な抗がん作用がある」という講義をぶったのです。

その翌日、私の近所のスーパーからブロッコリが消えました。ブロッコリの品薄状態は、一週間は続いたと記憶しています。

「あんな話にのって、ブロッコリに人が殺到するんだ!」と驚いたものです。

ブロッコリ程度ならいいですよ。そんなに罪は大きくないとは思います。

でも、根拠のないものに大金を払わされている人も少なくないのでは?

そんなことを少しでもなくしたい! 一人でも減らしたい!

微力を承知で始めたブログなのでした。

科学的エビデンスのない具体例をみてみよう

最近、「細胞のテロメアを伸ばせば若返る。長生きできる」というのが話題ですね。

ネット上で情報があふれています。いろんな人が、好きずきに書いてますねぇ。

テロメアって何?ということについては、上のブログで優しくお話しています

たとえば、ネットで「テロメア 伸ばす 食べ物」で検索してみてください。

全粒穀物だとか、オメガ3脂肪酸だとか、青魚だとか、えごま油だとか、発酵食品だとか、もうすでに多くの人が健康にいいと知っているものばかりが並んでいますね。

体にいいって、そんなの当たり前でしょ? いまさらって感じです。

では、本当にこれらの食材がテロメアを伸ばすのか?ということになると、そのことを直接証明した科学的エビデンスはほとんどないのが実情です。

にもかかわらず、多くのサイトが無責任にも、いかにも食べ物でテロメアを伸ばせるかのように書いているわけです。

そもそもテロメアを伸ばすことが本当に健康にいいのか?ということに対しても、少なくない専門家から疑問が呈されています。

近年、長いテロメアは寿命を延ばすどころか、逆にガン発症のリスクを著しく高めるとの研究結果が報告されています。

テロメアを長くすればよいという説を支持しない専門家は少なくありません。

私も、「テロメアを伸ばせばいいってもんじゃない!」派です。

「長いテロメア症候群」 具体的には上のブログご参照

「テロメアを伸ばすと若返る。寿命が延びる」

「これを食べればテロメアが伸ばせる」

「テロメアを伸ばす5つの習慣」などなど。。。

逆に、「テロメアが長いと長生きできない」との研究報告も。。。

もう、何が本当で、何を信じていいのか分からないですよね。

ことほど左様に、ネット上では根拠のない話で溢れているわけです。

次回以降、科学的エビデンスをお示ししながら、信頼できる正しい情報を皆さんに提供し、そして、本当にお薦めできる体にいいものを紹介していきたいと思っています。

最後までお読み下さり、ありがとう御座います。

次回もよろしくお願いします。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡

是非、お読みになったご意見やご感想、お叱りをコメントでお寄せ下さい。

大変励みになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました